その小倉へはいつも新幹線で通ってる、20分くらいで到着する。ショップは駅の北口の方にあるので(繁華街とは逆で海の方)駅と歩いて5分くらいのショップとの往復で街にも出ない。今日は時間があったので新幹線ではなく特急でもなく快速でもなく、のらりく
らりと鈍行で行こうと決めた。言っても普通列車だけど、博多駅を17:14分発の小倉行きにウーロン茶を買って乗り込んだ、博多駅でみんな降りるため4人座りに余裕で座れた、するとすぐに30代の女性が前の席が空いてるにもかかわらず俺も横にスーッと座った、ん?と思い目が合うと慌てて前の席に座り直した、多分彼女は進行方向に向かって座りたくて、しかも俺のシルエットが女性に見えたんじゃないかな?少し慌てた顔をしてたよ。
天気も良くきっと今日は良い夕暮れを車窓から観れるなと期待してた、発車してすぐに吉塚駅、でその女性は降りて行き、変わりに俺の前に60代の初老の男性と、少しお疲れ気味の40代の女性が俺の隣に座った。外が暑かったため初老の男性は口を開けて、ため息の連続、横の女性は座ると同時に肘あてに肘を立てて眠りに入った。続いて比較的新しめの駅の千早駅で4人座りの後一つ空いてる通路側の席にビニール袋からたくましい太いネギが飛び出したのを抱えてる30代の主婦だろうか?化粧っけはまったくない女性が座った、これで4人座りは全て埋まった、進行方向の窓側に俺、隣に疲れて肘を立てて寝てる女性、俺の前に初老の男性、その横の通路側にネギ主婦。
この1.5m四方に全く繋がりも関係もない4人が今にも足があたりそうな距離で座ってる事に不思議な気分になって来た、するとネギ主婦がおもむろにバッグから小説を取り出したそれは使ってるなぁって感じの布で出来てるブックカバーで覆われており、この移動の時間に慣れてる感じで読書をはじめた、横の女性は寝てる、顔は分からないし本当に寝てるのかは確認出来ないけど、俺の左目の視界の限界の場所にそんな姿がある。香椎駅に着いた、ここの駅は高校生などが沢山乗り込んで来て降車する人も多い、けど俺の周りは誰も降りなかった、するとある疑問がわいて来た、ネギ主婦はどこまで買い物して帰るんだろう?いかにも日常でちょっと買い物に行きましたって感じだけど、、、。前の初老がバッグから書類を取り出して目を通しだした、老眼鏡はかけてないので、以外と未だ若いのかも、外の景色はだんだん緑がまして来て遠くで山や緑が車窓というキャンバスから多くなって来た、俺の頭もだんだん開放されて来たのが分かる、今日は音楽は聴くまいと決めてた、夕暮れも良い感じになってきた、すると「バリッ!』と凄い音が、初老が少し険しい顔で書類をやぶったのだ、一気に現実に戻された、それから西日本新聞を取り出し大胆に広げて読み出した、古賀駅を過ぎたあたりから人もかなり少なくなった、立ってる人はおらず、ネギ主婦は立ち上がって後ろの方の席へ移動した、その後どこで降りたか確認出来なったのが心残りだ、、、。気が付くと隣の寝てた女性も居なくて、俺と初老の二人きりだ、通路を挟んで反対の席は「優先席」と書いている、こんなの昔はなかった、シルバーシートの事か?と疑問に思った、そこには私服の中学生くらいの女の子が携帯ゲームに夢中になって座ってる。赤間駅が近くなって来た、だいぶん乗ってる人の雰囲気も変
わって来た。福岡と北九州の境はどこなんだろうって疑問になった。初老は赤間駅で降りて行った。時間の使い方が慣れてるので、通勤だろう、夕暮れも最高潮を向かえて来た、結局赤間駅で10分止まったりしたので、1時間40分かかって小倉駅まで到着したよ。なかなか面白かったなぁ。



チャリと鈍行は近い気がした。