去年は10月まで暑かったのを憶えてる。今年は10月に入って一瞬夜が気温が落ちてキンモクセイの香りが三日ぐらい続いたろうか?それからはまた去年と同じだ。今日も昼間は27度くらいあったし、雨が降ってるせいか気温があまり下がらない。そんなもう11月を迎えようとしてる福岡市だけど。相変わらず俺は毎日COCKPITに籠りレコードを聞いてるよ、一杯の焼酎のお湯割りでアルバム二枚は聞いてるというスローな飲みだけど、三杯目にはグロッキー!と言う事はアルバム6枚?、、、そんな訳は無いよ。真剣に聴いてると二枚が限界だ。夜なので、これまたもう15年は使ってるAUDIO-TECHNICAのヘッドフォンでいろんな音を聞く(このヘッドフォンが俺の音の基準)勿論アルバム作る時もRECの時も、CDやレコード、映画のDVDまでこいつを使う。俺の耳代わりみたいなもんだ、もうボロボロで耳当てのクッションも何回交換した事か、、、。以前あるバーでオーディオテクニカのお偉いさんに偶然会った、そのバーのオーナーが丁寧に俺を紹介してくれて、お偉いさんは「レーコーディングの時なんかは言ってもらったらマイクなんかもレンタルしますんで!」と名刺を渡された。その時俺の愛用のヘッドフォンの話をして耳当てパッドを何回も取り替えたと話したけど、その話にはあまり乗って来なくマイクや新製品の話ばかりして来たので幻滅した。所詮メーカーの今まで会って来た人はこのタイプ
だ。
どれだけこのヘッドフォンに愛着があるかはきっとメーカーの人以上だと思う。
今月のアルバム!もうどれくらい紹介して来ただろう?そろそろダブって来てもおかしくないと思うので、そんな時はコメントで「以前紹介したでしょうが!」とかお怒りの言葉待ってます。今月はなぜこのアルバムを選んだのか?と毎月思いつきだけど思い入れや、映像や思い出が俺自身個人的にあるやつをその時のフィーリングで選んでるので、そこの所ご了承を。
RAINDOGS / TOM WAITS試聴はこちら
http://www.lastfm.jp/music/Tom+Waits/Rain+Dogs2ヶ月半程の期間でレコーディングされた"Rain Dogs"には、ホール&オーツのギタリストで、88年のDylanバンドのメンバーでもあるG.E.スミス、ルー・リード・バンドのロバート・クワイン、ジョン・ルーリーを通じて知り合った、マーク・リボー(ジョンのバンド、ラウンジ・リザーズのメンバー)、そして、ローリングストーンズのキース・リチャーズと、素晴らしいギタリスト達が参加している。
キースに関して、トムは、"遠縁の親戚"と表現し、その出会いを"タイムズ・スクエアのランジェリー・ショップで出会った"と冗談めかして語っている。
"キースは最高だよ。まるでアオガエルかオラウータンみたいだった。
演奏する時は、首の後ろから太いワイヤーか何かで吊り上げているような感じなんだ。しかも、体を45度反らしても、倒れないから特殊な靴でも履いているのかと思ったくらいさ"
トムは、同時期、"Frank's Wild Years"のミュージカルにも取り掛かっていたが、本作リリース直後、ロンドン公演を直前に控えた時期にG.マーティンが行ったインタビューで、「なるべくそれぞれの作品が別々のものになるように心がけた。"Raind Dogs"は、それほどドラマティックなサウンドにはしたくなかったが、曲間に関連を持たせようと考えていた」と述べている。
彼が"Beautiful Train Wrecks(美しい列車の残骸)"と呼ぼうと思っていたという本作は、"キツく目を閉じたりすると、自分がやりたいことが浮かぶことがあるんだよな。そうやって作った1つさ"と語る"Singaopre"で始まる。
荒波の中、シンガポールに向けて出航する船乗りの歌。
その船長は片腕の小人らしい。
デビュー以来のトムの友人、ラジオ局DJのマイケル・ティアソンとのインタビューで、トムはこの曲を"リチャード・バートンが香港、上海あたりをうろついている感じ"だと述べている。
"盲目の国では、片目でも利く奴が王様だ"という歌詞は、ジョージ・オーウェルかパメラL.トラヴァーズの作品からとったらしい。
マーク・リボットがギターで参加している。
全編を通して流れるブロック・パーカッションが倒錯した雰囲気を作り出す"Clap Hands"でも、マーク・リボットは、酔っ払ったかのようなギターで曲を盛り上げている。
トムが「レストランで集まっていたどこかの家族の話を盗み聞きしたそのままさ」と嘯く"Cemetery Polka"。
一方でG.マーティンには、「俺の親戚には、農家の人間が沢山いるんだが、殆どが変わり者でね」と語っている。
スタッカート調リズムに乗せて歌われるのは、伯父さん達の物語。
アルバムの雰囲気を変えるテキサス・メキシコ風のスウィング・ルンバ・ビートに乗せて歌われる"Jockey Full of Bourbon"は、後述する映画"Down By Law"でも使われた。
"バーボン漬けで立ち上がることも出来ない"
"小鳥ちゃんよ、お家に飛んで帰りな。燃えちまってるぜ。いるのはあんたの子供達だけだ"
散りばめられた歌詞が、無実の罪にハメられ刑務所行きになった映画での役どころにも、ぴったりと合っている。
全編に流れているエレクトリック・ギターは、マーク・リボット。
ふらついたピアノのイントロで始まる"Tango 'Til They're Sore"は、ダンスフロアーでの一幕。
男は、"俺の秘密を全て教えてやる。ただし、過去のことは嘘だけど"と言っている。
恐らく、男が喋る秘密は、全て過去に関するものなのだろう。
悪夢にうなされたかのようなトムのうめき声からスタートする"Big Black Mariah"には、キース・リチャーズが参加している。
"Black Maria"には、囚人護送車という意味があるので、タイトルは、それに引っ掛けているのだろう。
"ハンマー持って、梯子を床まで駆け下りる"という歌詞さながらに、ドタバタするドラムスを担当したのは、ステファン・ホッジズ。
"Diamonds & Gold"は、ダイヤやゴールド求めてやってきた男達の話。
ゴールド・ラッシュ騒ぎにつられてやって来た人々は、街の物価の高さゆえに逆に文無しになったが、果たしてここで語られる男達は、待ち受ける落とし穴や柵を相手に、狂ったようによじ登っているようだ。
挙句の果てにすっかり痩せこけた彼等は言う。"夢を1つかっぱらってくれ"と。
鼻歌交じりになるラストは、やけくそか?それとも、上手いこと夢を手に入れられたのだろうか?
一転して明るい"Hang Down Your Head"は、妻・キャスリーンとの初の共作だ。
女は他に男を見つけ、心からの愛は、脆くも潰えた。
"哀しみで頭を垂れておくれ・・"という歌詞を彩る、トムが演奏するパンプ・オルガンの音色が素晴らしい。
流れを壊さないマーク・リボットのギター・ソロも見事。
"Time"は、まるでゴミ捨て場に埋もれ忘れ去られた子守唄のように優しい名曲。
アコーディオンを弾いているのはウイリアム・シメル。
"さぁ、その時が来たんだ。お前の好きな時がやってきたんだよ"
タイトル曲"Rain Dogs"でも、出だしのウイリアム・シメルのアコーディオンは、とても印象的だ。
Rain Dogsというのは、"街で見かける迷い犬達"のことで、帰り道が分かるように残していた匂いが雨で消されてしまうところに由来している。
まるで刑事映画のような"Midtown"は、1分程の短いインストゥルメンタル。
騒々しさが、次の"9th & Hennepin5"のひっそりとした不気味さ、メタルパーカッションが奏でるムードを盛り立てている。
そして、"Gun Street Girl"。
トムの弾くバンジョーとマイケル・ブレアのパーカッションが、小気味良くリズムを刻んでおり、思わず、一緒になって手拍子したくなる。
"ジョンは、行っちまった。インディアナに行っちまったのさ"
ガン・ストリート・ガールに恋したがためにひどい目に遭ったジョンや主人公。
男は、2度と彼女にキスしないと誓う。
続く"Union Square"について、トムはこう語る。
"あの曲は捨てちまおうかと思ってたんだ。でも、誰かが、ここには何かがあるって言い出してね。
俺が、そんなもんねぇよ、って言った丁度その時、キースがやってきた・・・(後略)"
トムが捨てるつもりだったこの曲は、人の姿をしたロックンロール、キース・リチャーズによって、凄まじい絶叫から始まる絶品のロックンロールへと変貌を遂げた。
そして"Blind Love"では、なんと、キースがバック・ヴォーカルをも披露している。
いや、故・グラム・パーソンズとの親交も深く、カントリーも大好きなキースがこの曲に参加したのは、当然の成り行きだろうか。
"Walking Spanish"では、アルト・サックスで、ジョン・ルーリーが参加している。
そして"Downtown Train"。
曲は、G.E.スミスのギターでスタートする。
"Outside another yellow moon...."
トムのヴォーカルが入り、ロバート・キルゴアのキーボードが加わる。
あまり多くの音を出さずに、しかし、音を切らすことなく、徐々に盛り上げてゆくロバートのキーボードは、見事。
新品の銀貨のように輝いている主人公は、窓から這い降りて、夜の街に繰り出す。
ダウンタウンの列車は、ちっぽけな世界を突き破ろうとしてもがいているブルックリン・ガールで満たされている。
ブライアン・アダムスのドラマーでもあるミッキー・カリーのずっしりとした重みのあるドラムスが加わり力強さを増しながら、トムは、歌う。
"俺があんたの選ぶ奴だとしたら・・あんたのたった1人の奴ならば、俺の声が届かないかい?"
"今夜、あんたに会えるかな?ダウンタウン・トレインで。毎晩、毎晩、何も変わりやしない・・。いつだってあんたは俺を寂しい気分にさせるんだ"
彼女の家の窓を知っているが、今となってはもう遅い。
家の前を通り過ぎ、道を歩いてゆく。
誰も、カーニバルから、彼女を取り戻すことなど出来ない。
"俺の夢は全て、雨のように流れ落ちてゆく。ダウンタウントレインへと!"
ミッキーのずっしりとした重みのあるドラムスに乗って天に向かって舞っているかのように演奏されるG.E.スミスのギター・ソロは、あまりにも感動的だ。
"俺の夢は全て、雨のように流れ落ちてゆくんだ・・ダウンタウントレインへと・・ダウンタウントレインへとね・・"
ルー・リードのライヴ盤"Live In Italy"でも聴くことが出来るロバート・クワインのシンプルでストレートなロック・ギター、ピーター・ガブリエルやキング・クリムゾンとの活動でも知られるトニー・レヴィンのベース、そしてマイケル・ブレアのパーカッションも曲を盛り上げている。
今でも、コレクターズ・ビデオ等で観ることが出来るモノクロのビデオ・クリップ(監督:ジャン・バプティステ・モンディーノ、ボクサーのジェイク・ラモッタもトムの隣人役で出演)も美しい、この素晴らしい名曲は、1990年にロッド・スチュワートがカヴァーして大ヒットし、1995年には、映画"Smoke"でも使われた。
"Downtown Train"の余韻も冷めやらぬ中、インストゥルメンタル"Bride Of Rain Dog"が流れ、ラストは、"Anywhere I Lay My Head"。
成功も夢の跡。今や落ちぶれてしまった主人公の歌を、ホーンやトムのパンプ・オルガンがおごそかに運び去り、コーダ演奏がなされて、アルバムは幕を閉じる。
9月〜10月には、LP"A Conversation With Tom Waits"がリリースされ、ここでトムは本作について語っており、また、12インチシングル"Downtown Train / Tango 'Til They're Sore / Jockey Full of Bourbon"、シングル"Downtown Train / Tango 'Til They're Sore"がリリースされた。(いずれもアイランドより)
さて、"Down By Law"は、ジム・ジャームッシュ監督の映画作品で、ジョン・ルーリーが共演、サントラを手掛け、後に"Life Is Beautiful"を生み出すロベルト・ベニーニも参加している。
本作から、"Tango 'Til They're Sore"と"Jockey Full of Bourbon"が使われており、牢獄で意気投合した3人(トム演じるザック、ジョン演じるジャック、ロベルト演じるボブ)が、脱獄を図るという内容だ。
また、1985年には、もう1つ重大な事件が起こった。
トムの2人目の子(長男)が生まれたのだ。
当初、トムが"Senator"(上院議員)、キャスリーンが"Representative"(下院議員)と名付けようとしたこの子の名前は、結局のところは、"Casey Xavier"という名前で落ち着いた。
"Raindogs"は、"New Musical Express (UK)"、"Schlager (Sweden)"、"OOR (Netherlands)"、"Tip (Germany)"、"Rockerilla (Italy) "でAlbums of the Yearのトップに輝く等、各方面で大絶賛された。
だが、いつも通り、セールス的な成功は収められなかった。
しかし、成功とは何を意味するのか?
"Raindogs"という傑作が生み出され、こうしてその作品を聴くことが出来る・・・それこそが、最大の成功ではないだろうか。(ファンサイトより引用)
このアルバムはリアルタイムではないけども、20代の頃に聞いた。酔いどれのロックンロールだけども不思議な世界だと思った。ロックイコールU.SやU.Kの考えが吹き飛ばされヨーロッパや南米やいろんな世界へ旅をさせてくれるアルバムだ、ポルカやタンゴにカントリーにロックンロールとしびれたし、でも参加ミュージシャンをみれば紛れも無くロックアルバムだと分かるけど、酔いどれなバーボンが似合うという観点では以前の傑作「SMALL CHANGES」と変わらないけど、よりワールドワイドにぶっ壊れてる感じがかっこいい。このアルバムはROCKの俺なりの王道をブチ壊してくれて、自由な発想でいいんだと教えてくれた作品である!
自分でも気が付いてなかったスイッチを押してくれた。