最近は映画もやっとでHAPPY ENDなディズニーやハリウッドみたいな娯楽ばかり追求した作品ではない、心の多面性を表現した日本映画も出て来て嬉しくも思う。俺も観に行った「悪人」もそうだし「パレード」や「告白」なんかも全然HAPPY ENDじゃないけど話題になってるってことは、やはりそう言う作品に触れて世界観が広がってる人たちも多いってことだ。特に最近流行りの小説家はそんな作品を書く人が多い気がする「吉田修一」「白石一文」「東野圭吾」「道尾秀介」とあげればきりがないけど、その作品にHAPPYと言う言葉は出てこないけど、それを読んだり見たり聞いたりする事で、その主人公よりHAPPYだな、とか平凡な日常に嬉しく思えてしまう。最初から「HAPPY」「しあわせに」なんて事を前面に出すバブリーな時代は終わってると思う。若い頃はそんな事ばかり考えて毎日を送る事が楽しかったけど、ある程度年を重ね、人のワビサビを経験してくると薄っぺらく感じてしまう。
ここまで書いて、最初のアンテナが変わって来たと言う話に戻すと、そんな作品以外にも年を取って来たせいか、年を取ると涙腺が緩むってよく言うけど、感動する事で涙が出そうになる事が多くなった。それは単純で、心の琴線に触れればジャンルや、今の作品、昔の作品、どんなバンドとか関係なく、その琴線に触れるとウルウル来てしまう。だからいろんな世界観の作品に手が行ってしまう、こだわりや方向性もないけど、今はそんな事を吸収したいんだと割り切った。
THE ORB / METALLIC SPHERES
THE ORBと言えば80年代から活躍してるアンビエントの雄だけど、そのTHE ORBと元PINK FLOYDのDAVID GILMOURがタッグを組んだアルバムだ!この10月に発売されたばかりだけど、日本盤は出てるのかな? 1曲20分以上ある組曲が2曲収められてて、俺が買った奴は2枚組で、内容は同じなんだけど、もう一枚は何と3Dレコーディングされてる。多分「HAPPY」を求めてる人には理解されないだろうけど、とにかく素晴らしい!こんなサウンドがU.Kや世界では何百万枚と売れるって考えると、日本人の「HAPPY」な毎日を送りたい平和ぼけしてる音楽シーンはやはり変な商業的でうんざりしてしまう。とにかく芸術的に素晴らしいと思う、今もその3D盤の方をヘッドフォンで聞きながら書いてるけど、今年の、いやここ2、3年の俺の一番の名盤に2回聞いただけでなってしまった。3年前に作った「媚薬」も正直理解されなかったと思う、暗いしね、でもこのアルバムを聴くと「媚薬」みたいな作品を作っていいんだって勇気ももらった、次元は全然違うけどね(笑)。
DISK情報はこちら: http://www.cdjournal.com/main/news/the-orb/33219#disc
創作、表現、センス、奥が深いなぁ。そこの君、分かるかい?