2010年10月29日

今月のアルバム,,,10' 10

ここ最近は音楽やアートや文章や、要するに心で感じる部分のアンテナが変化して来てるのが自分で分かる。若い頃は尖ってたり、反体制だったり、反商業的だったり、と何かと「反」がかっこ良いと思ってたし、そんなメッセージが込められてる作品に惹かれてた。今もある意味「反」は心のルーツには意識しなくてもあるし、心のダークサイドの部分の表現に傾倒してた時期もあり、シュールやプログレやU.Kのゲイカルチャー、心理学にも興味が出て、そんなものばっかりに触れてた気がする。毎日HAPPYに暮らそうぜって!誰もが言いそうな当たり前の表現にげんなりして、そんな作品や映画なんかも避けてた気がする。もっと人間の心は多面体でHAPPYな表現ばかりに救われてる人ばかりではないと言うのもいろんな本で分かった。HAPPYな表現してる作品にも、実は深いアンチテーゼが含まれてたり、分かる人には分かるメッセージが含まれたり。

最近は映画もやっとでHAPPY ENDなディズニーやハリウッドみたいな娯楽ばかり追求した作品ではない、心の多面性を表現した日本映画も出て来て嬉しくも思う。俺も観に行った「悪人」もそうだし「パレード」や「告白」なんかも全然HAPPY ENDじゃないけど話題になってるってことは、やはりそう言う作品に触れて世界観が広がってる人たちも多いってことだ。特に最近流行りの小説家はそんな作品を書く人が多い気がする「吉田修一」「白石一文」「東野圭吾」「道尾秀介」とあげればきりがないけど、その作品にHAPPYと言う言葉は出てこないけど、それを読んだり見たり聞いたりする事で、その主人公よりHAPPYだな、とか平凡な日常に嬉しく思えてしまう。最初から「HAPPY」「しあわせに」なんて事を前面に出すバブリーな時代は終わってると思う。若い頃はそんな事ばかり考えて毎日を送る事が楽しかったけど、ある程度年を重ね、人のワビサビを経験してくると薄っぺらく感じてしまう。

ここまで書いて、最初のアンテナが変わって来たと言う話に戻すと、そんな作品以外にも年を取って来たせいか、年を取ると涙腺が緩むってよく言うけど、感動する事で涙が出そうになる事が多くなった。それは単純で、心の琴線に触れればジャンルや、今の作品、昔の作品、どんなバンドとか関係なく、その琴線に触れるとウルウル来てしまう。だからいろんな世界観の作品に手が行ってしまう、こだわりや方向性もないけど、今はそんな事を吸収したいんだと割り切った。



The-Orb-feat-DavidGilmour-Metallic-Spheres.jpg


THE ORB / METALLIC SPHERES


THE ORBと言えば80年代から活躍してるアンビエントの雄だけど、そのTHE ORBと元PINK FLOYDのDAVID GILMOURがタッグを組んだアルバムだ!この10月に発売されたばかりだけど、日本盤は出てるのかな? 1曲20分以上ある組曲が2曲収められてて、俺が買った奴は2枚組で、内容は同じなんだけど、もう一枚は何と3Dレコーディングされてる。多分「HAPPY」を求めてる人には理解されないだろうけど、とにかく素晴らしい!こんなサウンドがU.Kや世界では何百万枚と売れるって考えると、日本人の「HAPPY」な毎日を送りたい平和ぼけしてる音楽シーンはやはり変な商業的でうんざりしてしまう。とにかく芸術的に素晴らしいと思う、今もその3D盤の方をヘッドフォンで聞きながら書いてるけど、今年の、いやここ2、3年の俺の一番の名盤に2回聞いただけでなってしまった。3年前に作った「媚薬」も正直理解されなかったと思う、暗いしね、でもこのアルバムを聴くと「媚薬」みたいな作品を作っていいんだって勇気ももらった、次元は全然違うけどね(笑)。


DISK情報はこちら: http://www.cdjournal.com/main/news/the-orb/33219#disc


創作、表現、センス、奥が深いなぁ。そこの君、分かるかい?



posted by usui special at 03:36| 福岡 | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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The Orb featuring David Gilmour - Metallic Spheres (Columbia:88697 79645 2)
Excerpt: Amazonで詳しく見る(3D60 Version付き) Amazonで詳しく見る The Orbと言えばテクノ、アンビエントと言うジャンルで括られておりますが、中心にいるAlex Paters..
Weblog: Tokyo Experiment
Tracked: 2010-10-29 22:39
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