咲咲という二人組を約5年間プロデュースしてアルバム一枚をアレンジからRECにマスタリングまでしたけど、ある事情で降りて約一年が経った。そして俺からしたら謎の男ミスターXが彼らの前に出現して自分のバンドに誘い結果的には咲咲は解散した。ミスターXの出現は彼らにとっては結果的にはよかったのかもしれない、結果的には俺と繋がってる間が咲咲と言うユニットの二人の潤滑油であって潤滑油がなくなった二人には俺にも分からない微妙な距離感やエゴやプライドや方向性なんかのずれが出来てしまったんだろう、それがミスターXの出現によりあからざまになったように思う。結局二人ともそのバンドは辞めた、俺にも咲咲に対しての思いと言うのがあったからキツいと思ったけど言ってやった、「結局俺から離れて何にも残せんかったね」って。けどアツシの方は俺がプロデュースを降りてもずっとレッスンは続けてきた、そしてバンドを辞めたと先日聞いた。バンドの活動や近況はあえて俺からは聞かなかったけど、先週の土曜日が休みでどうしても寿司が食べたくなりアツシを誘って食べに行った、金のない俺たちはもちろん回ってるやつだけどね。その後俺の部屋で家飲み、最近はレッスン後焼き肉行ってその後は家飲みが通例となってる。そこで急にボソッと「俺バンド辞めました」って言ってきた、簡単に言えばミスターXとの方向性の違いみたいだけど、アツシは自分の日常を自分の言葉で曲にして唄いたいとソロ活動宣言をした。プロデュースって言葉はもう使いたくないけど、それに対して俺は120%協力するよって言った。バンドアレンジ考えたりRECしたりアツシの為にギターやベース弾いたりしてバックアップしたいと思ったしミュージックライフを共に今後とも過ごしたいし今まで通りに音楽だけではなく色んな価値観や生活や女の事やくだらないことを話して共有したいって思う。俺に出来る事は大してないけど俺の事を信頼してくれてる事は嬉しく思った。
アツシ、もう5年の付き合いになる。
部屋飲みでかかせないポテチ!ってかアツシは必ず選ぶ、ちなみに寿司で腹いっぱいである。
秋がもうすぐだ、俺の大好きな季節。ギターの鳴りも良くなる。
色々この一年巡った。俺もアツシもきっと今、ここが現在地だろう。楽園にたどり着きたい。
立ち止まる、振り返る、この場所で生きてる。